アトピー性皮膚炎との格闘!
はじめに
もともとアトピー性皮膚炎持ちであった。幼少期はひじの関節が真っ赤に腫れてかゆくて仕方がなくて掻いてばかりだった。だから皮膚科によく通っていた。当時は「ステロイド剤」を塗ることだけで、その副作用も理解してなかったと思う。子供の頃から長袖を一年中着ていたのはそのためだ。その後、大学病院に行ったりもした。そうこうするうちに、大分収まってきた。
ここ10年くらいはずっとおさまっていた。3年くらい前から中指に突然アトピーが出てきて、その時は実家近くの皮膚科を受診し、塗り薬をもらって塗っていた。そうするとすぐにきれいな肌にもどるのだが、また同じ症状が出てくるといった繰り返しであった。そのうち他の指全てにでてきた。このときは、いわゆる「ステロイド」のことに関して殆ど無知であり、最近になってその副作用の怖さをネットなどで知るようになり、これではいつまで経ってもだめだと思った。
2009.2.13
漢方薬局に行ってみた
昔、にきびとアトピーでお世話になった漢方薬局である。久しぶりに電話すると、経営者がすでに変わっていた。2009年に入って、左頬にカサついてところが目立ってきたので、受診。今飲んでいる薬(抗うつ薬、睡眠薬)、体の症状、舌の色などの問診の後、「体が冷え切っていますね」とのこと。このときの処方箋は...
- 開豊 瓊玉膏(けいぎょくこう)
- 温清飲
である。
瓊玉膏を少し飲ませてもらったら、苦いなんの。それを聞いた先生は、よっぽど体が弱っていると指摘。普通は甘く感じられるそうだ。
2009.2.20
漢方薬局
一週間飲んでみての感想を話しに行った。飲むと、苦味は我慢できるが、体が温まってきて、それがかゆみを引き起こしている状態。体中がかゆい。まぁ、しばらく我慢して飲むことにした。
2009.4.14
漢方薬局
あまりのかゆさと、湿疹がでてきたので(特に足)、薬を変更してもらった。
2009.5.12
地元の皮膚科へ行った
高校生くらいからお世話になっている皮膚科へ行ってみることにした。これまでの経緯をお話ししたら、デルモベート軟膏(ステロイドの一番強いもの)を処方された。
2009.6.11
漢方薬局
温清飲のなかに補中益気湯を混ぜた薬に変更。また、楊851という薬も追加。塗り薬としては、ピフォーニPV軟膏が処方された。背中、腕、お腹にも出始めてきた。少しでもよくなればいいのだが...
2009.6.23
地元の皮膚科
さすがに、この段階で漢方に見切りをつけて、病院一本にしようと決めた。マイザー軟膏(ステロイド)とジルテック(抗ヒスタミン薬)を処方された。
2009.6.26
地元の皮膚科
マイザー軟膏(ステロイドの上から2番目に強いもの)と、今度は一週間の期間限定でプレドニゾロン(ステロイドの一番弱いもの)の服用を指示された。緊急措置とのこと。このステロイドは徐々に量を減らしていかないとリバウンドが心配とのことで、
- 6/26・・・・・・4錠(昼2:夜2)
- 6/27・・・・・・3錠(朝2:夜1)
- 6/28・・・・・・3錠(朝2:夜1)
- 6/29・・・・・・2錠(朝1:夜1)
- 6/30・・・・・・2錠(朝1:夜1)
- 7/1・・・・・・1錠(朝1)
- 7/2・・・・・・1錠(朝1)
という具合に飲み方を細かく指定された。飲んでいるうちは驚くほどよく効いて、指もきれいになったのだが、やはり飲み終わると元のボロボロの肌に逆戻り。ステロイドの強さについては...
- デルモベート(一番強い:分類はストロンゲスト)
- マイザー(2番目に強い:分類はベリーストロング)
- エクラー(3番目に強い:分類はストロング)
- ロコイド(4番目に強い:分類はミディアム)
- プレドニゾロン(一番弱い:分類は:ウィーク)
2009.7.14
総合病院へ行った
今日は紹介状を書いてもらうつもりで、地元の皮膚科へ朝一番に受診。と思いきや、タッチの差で2番目になってしまった。ただ一人目が3分くらいで終わったので、すぐに呼ばれた。アレルギーの検査を本格的にしてみたいと医師に伝えたところ、紹介状を書いてもらえることになった。ただ市内の市民病院は紹介するのに手間がかかり難しいとのことで、隣の市の総合病院に行くことになった。「良い先生が水曜日はお休みで、今日は女性の先生しかいないんだよなぁ」とのことで、「でも今日、これから行かれますか?」と聞かれたので、一瞬迷ったが、行くことに決めた。一刻も早く診てもらいたかったから。診察をして紹介状も書いてくれたのに、お会計がゼロであった。本当に心優しい先生だ。
車を駅近くの駐車場に置いて、電車で10分。そこから皮膚科でもらった地図を頼りに歩くこと10分。意外と大きな病院で中もきれい。紹介状を出して受付をすませると、カルテを作成し渡してくれてそのまま皮膚科の窓口へ。ここは皮膚科と泌尿器科の窓口が一緒のようで、待合席も満杯で立っている人がいるではないか。「これじゃぁ、だいぶ待つなぁ」と思って正直長期戦を覚悟したのだが、10分ちょっとで呼ばれた。これは紹介状の効果か?(受付のとき、紹介状のない人は紹介状の人が優先になりますよと言われていたっけ)
診察室に入ると、若い女性の医師であった。紹介状を見ながら、症状の出始めた時期はいつか、今飲んでいる薬は何か(抗うつ薬、睡眠薬、漢方薬を飲んでいる)何か変わったことがあったかなど、次々と問診された。そしてアトピー症状の出ている場所(結局、手足、お腹、背中、と全てだが)をすべて見てもらった。
先生のご指示としては...
- アレルギー検査のための採血をするとのこと。(結果は一週間後の診察時にとのこと)
- 点滴を、今日を入れて3日間行うこと。
- 処方薬(ポララミン錠2㎎(朝1:夕1)、アレジオン錠20(夕1))を服用すること。
- DS軟膏(ステロイドと軟膏を混ぜ合わせたもの)を患部に、風呂上りに薄く塗ること。
- 保湿剤(プロペト)を塗ること。
また、よく読んでおくようにと、いくつかアトピーの冊子をくれた。それと薬がベトつかず、アトピーに効くというシャツをくれた(これは試供品サンプルのため、無料とのこと)。診察時間は、15分(AM10:45~11:00)くらいだったと思う。聞くべきことは聞き、説明することはもれなく説明し、処置も手際が良く、テキパキとした医師であるとの印象。
そのまま、中央処置室というところへ行き、待合席で待機。程なく呼ばれ、採血と点滴をソファに座りながら実施。点滴の成分は...
- ミノフィット20ml
- ノイロトロピン3ml
- リンデロン2㎎
- 生食(生理食塩水)100ml
であったので、おそらく皮膚炎を抑えようとのことみたいだ。昨日は、ほとんど眠れてなかったので、点滴しながらウトウトしてしまって、看護師さんに起こされてしまった。
点滴を済ませ会計。会計も早くて好感がもてる。並びの院内処方所で薬をもらい帰宅。今日は35度くらいの猛暑日で、へばってしまった。運動不足と寝不足もたたっている。明日も点滴。
2009.7.16
総合病院
今日はAM8:40に家を出発したのだが、少し出遅れてしまった。受付をAM9:20に済ませたが、呼ばれたのは10:40。やはりもう少し早く来るべきだったと後悔。「点滴はどうですか?」と聞かれ、「いい感じと思います。後で少し眠くなりますが」と答える。血液検査の一部が出ていた。中性脂肪とコレステロールの値が高く、健康診断をきちんと受けていますかと突っ込まれたが、「年一回受けています、休職してから上がったと思われます。」と答える。やはり運動不足が原因だろう。こまめに運動しなくては。あと、肝機能が良くないと言われる。
アトピー性皮膚炎の1つの指標になる「CRP」の値は0.04と問題なく正常とのこと。CRPとは、体内に炎症が起きたり、組織の一部が壊れたりした場合、血液中に蛋白質の一種であるC-リアクディブ・プロテイン=CRPが現われる。このCRPは、正常な血液のなかにはごく微量にしか見られないため、炎症の有無を診断するのにこの検査が行われる。デシリットルの血液のなかにCRPが0.6ミリグラム以下であれば正常と考えられる。よって、点滴は今日で終了し、今後は飲み薬と塗り薬をベースに治療していくことが説明された。血液検査も全て出揃うとのことで、来週23日に受診することになった。
今日の点滴の成分は、昨日のものに以下のものが追加された。
- クロールトリメトン10ml
今日点滴したくれた看護師さんは、なかなか針をうまく刺せなくて右腕も左腕も失敗。結局、別の看護師さんに変わったら一発で入った。昨日は左だったから今日は右にしてもらった。少し痛い思いをしたが、彼女もこれで1つ勉強したことだろう。
2009.7.23
総合病院
今日は車で行ってみた。約25分くらいかな。AM10:35受付。AM11:15に呼ばれた。「点滴はもういいですね?」と言われ、「はい」と答えた。飲み薬は継続してもらうようにお願いした。今使用しているDS軟膏は一番強いものなので、かゆいところだけに塗るようにし、基本的には保湿剤を塗るようにとのこと。どちらを先に塗っても構わないとのこと。8月にまた見せにきてくれればいいとのこと、そういえば採血の最終結果を聞かなかったのは失敗であったが、たぶん問題なかったのだろう。
2009.8.20
総合病院
AM8:20受付。AM9:20に呼ばれた。全身みてもらったら、「だいぶよくなってきていますね」とのこと。軟膏はプロペトは継続。DS軟膏は少し弱いアンテベート軟膏に変更。飲み薬はポララミン錠2㎎は継続だが、アレジオン錠からアイピーディカプセル100になった。アトピーによく効くそうである。「今日は点滴ではなく、注射をしましょう」とのことで、注射をした。成分は...
- ミノフィット20ml
- ノイロトロピン3ml
5分程で終了。
この後、かなり改善がみられてきたので、もとの皮膚科で受診するようにとのことで、お手紙を書いてくれた。しばらくの間、塗り薬は継続していたのだが、ある程度治療の目途がたち終了となった。
まとめ
大学病院へも通っていた時期があるのだが、当時はあまり良くならなかった記憶がある。今でも時たま症状が出ることがあるのだが、地元の皮膚科に行って薬をもらって凌いでいる。昔は、両腕の関節のところが酷くて一年中長袖を着ていた。また両膝の裏も同様。これを20年以上続けているのだが、今ではすっかり良くなってツルツルの肌になっている。太陽に当たらないことが良かったのかと推測している。アトピーと診断されてから40年以上だが、一生付き合っていく覚悟を割と若い時に決めていたと思う。なるべくストレスの少ない生活を心掛けている。
漢方についてだが、これは人によって合う合わないがあると思う。私の場合はいまいち合わなかったのだが、著効する人もいるのかもしれない。まずは、皮膚科に行くことが第一選択だと思う。今ではいい薬も出てきているので、先生と話し合って治療に取り組むことが大切だと思う。
この病気は、特効薬がないことが苦しいところである。確かにステロイド剤は長期に使用するのはよくないのだが、短期的に炎症を抑えたりする分には比較的よく効くとのことだ。肌の乾燥も大敵なので、保湿剤を塗ることも大切になってくるのだ。今現在(2023年)は割と収まっている感じ。
この記事を読んで怖くなってしまった方に向けて言いたいのは、このアトピー性皮膚炎は自己免疫疾患ですが、ドクターの先生と適切な治療を継続すればコントロールできうるモノだということです。皮膚炎というのは、見た目が痛々しい感じがするので偏見の眼差しを向けられて、他人の目を気にしがちになりますが、それを抱えて生きるのだという心持ちがいいのかもしれません。私は「苦しんだ分だけ優しくなれる」というどこかの言葉を支えにもしています。
- 財津和夫 ゴールデン☆ベスト (財津和夫)
2017年のベストアルバム。シングル曲からアルバム収録曲まで、存分にその魅力を味わえる一枚。聴きごたえ充分。私が持っているのは、ジャケット写真が同一の1991年発売バージョンのほう。タイトルは少し違っていますが。
1974年のバンド時代のシングル曲。アルバム「 サボテンの花~grown up」収録。後にセルフカバー。言わずと知れた名曲ですが、シンプルさゆえに余計に心に染み入ります。率直な歌詞とどこか哀愁を誘うメロディー、聴かせるアレンジ、温もりのある歌声、すべてが秀逸。多方面のメディアで使用されていると思いますが、それは心に残る楽曲の証だと思うのです。いつの間にか知っていた、私にとってそんな楽曲です。
私が唯一ファンクラブに入っている小田さんとのコラボが忘れられない。
シンプルなライティングが素晴らしい。伸びやかなサビの高音は魅力に溢れている。控えめながらもブレないコーラスとハモリが優しく寄り添っている感覚に陥った。じっと聴き入った。重厚感をも感じさせる名作かつ名曲。(2003)。※