『クリスマスの約束』を観た感想コラム!!
2007-2011

作成日:2021.02.01
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※番組制作・著作のTBSさんには敬意と感謝。

ギター

なお、ここに記載された内容による一切の責任を負いかねますのでご了承ください。

クリスマス約束の2007

豪華なゲストの皆さん

黒のニット帽と薄茶の格子柄のジャケットで登場。


2005年のソロシングル曲。アルバム「そうかな」にも収録。ギターでの歌唱・演奏。サビのハイトーンはもはや芸術的。終始安定した音域を保ちつつ抑揚の効いた歌唱はさすがだと感じます。ストリンクズの音色が綺麗に聴こえてきます。サビに向かってゆっくりと近づくカメラワークは、決して急ぎすぎません。揺蕩うように時が流れていきます。贅沢な時間。


2007年のソロシングル曲。アルバム「自己ベスト-2」に収録。フジテレビ系ドラマ「ファースト・キス」の主題曲。井上真央さん主演。サビの歌詞が最高です。綺麗なハイトーンが素敵。爽やかなラブソングとして私の中に深く強く息づいています。右下から回り込むカメラワークが堪りません。エレキのアレンジが格好いい。生徒諸君のストリングスも頑張っていました。
小田さんの母校である聖光学院の弦楽オーケストラ部とのコラボ。生徒たちの練習風景は真剣な中にも楽しそうだ。歳が離れていても先輩と後輩の関係性には変わりはなく、歌い終わってみんなと一礼した小田さんは嬉しそうでした。

初登場


1996年のシングル曲。浮遊感を感じる不思議な世界観だというのがこの曲の第一印象でした。ギターでの歌唱・演奏。落ち着いた楽曲ですが、小田さんの横で、個性的かつパワフルに歌う宮沢さんは表現者としてのパワーを感じます。静かな低音部の多い小田さんのハモリアレンジも味わい深いです。
この曲の詞の情景描写に魅かれた様子の小田さん。


1995年のシングル曲。よくテレビで流れていたように記憶しています。サンバ調のリズミカルでノリを良い楽曲で、観客も一緒に歌い楽しそうな雰囲気が伝わってきます。シンプルなライティングと奇をてらわないカメラワークが心に残ります。懸命に歌う所と抑えて歌う所のメリハリが、小田さんのセンスを感じることができたように思います。

ベテラン同士の格闘


1977年のシングル曲(秋桜と書いてコスモスと読みます)。さだまさしさんの作詞作曲による名バラードです。昭和の大スターの百恵さんの曲はどれもヒット曲かつ名曲ばかりなので、人それぞれの思い入れによって、「百恵さんと言えばこの曲」というのがあるのだと思います。バラードからロックまで幅広く歌いこなし、歌の上手さ、表現力などを鑑みれば、彼女には「アイドル歌手」という言葉は適切ではないのかもしれません。ピアノでの歌唱・演奏。素晴らしいの一言。何十回見直したことでしょう。この番組で多くの楽曲をカバーしていますが、1,2を争う出来栄えだと私は思っています。仄かな白と薄紅色のライティング、大サビでのピアノ下から思い切り引き上げるカメラークに鳥肌が立ち、幾度となく感動を覚えてしまいます。カメラ、照明、音響等の番組スタッフの皆さんの底力を見た思いでした。お嫁にいく女性の心理描写を、さださんならではの言葉で書き上げているこの楽曲を、小田さんならではの歌唱・演奏によって魅せてくれました。絶品。


続いて、さだまさしさんの歌唱。


  • woh woh (小田和正)

2000年のソロシングル曲。アルバム「個人主義」にも収録。この年、小田さんが、さだまさしさん作詞作曲の山口百恵さんの名曲「秋桜」をソロで歌ったお返しにと、小田さんの「woh woh」をさださんが歌唱しました。さださんの伸びのある声での大サビは、新鮮そのものでした。バンドコーラスとともにハモリを静かに歌唱する小田さん。この楽曲の別の魅力を発見した思いでした。


「たとえば」というタイトルの共作曲です。ピアノでの歌唱・演奏。この時の音源がCD化され、2020年のさださんのアルバム「 存在理由」に収録。ピアノのイントロから名曲の予感があります。前で歌唱するさださんと後ろでピアノを弾く小田さんを抑えるアングルが素敵です。サビでの強烈な小田さんの高音が気持ちいいです。静かな終わり方が余韻を残しています。さださんの優しめの、そして小田さんの硬めの声質が融合し、お互いの声がお互いを邪魔しないところが上質かつ秀逸です。

曲作りの過程と練習風景が流されましたが、とても興味深いです。一日で詞と曲を作るという小田さんにあきれるさださん。しかし本気モードになった二人は凄いの一言。話し合いの中から「昔の自分と未来の自分に手紙を書く」というテーマを提供するさださんの着眼点には恐れ入った。充分すぎるキャリアのある二人が本気で作ると、とんでもないものができるということを見せつけられた気がしました。最後のバートの歌い分けについての考えをどちらも譲らない。しかし最後に小田さんの一言。

老いては君に従おう

~番組内の小田さんのコメントを引用~

のコメントが印象的。

初登場


  • Jubilee (くるり)

岸田繁さん佐藤征史さんの二人組バンド。2007年のシングル曲。独特の世界観をもったユニークな楽曲だと思いました。ギターでの歌唱・演奏。素人ながらに難しい楽曲だと思うのですが、安定的な小田さんのハモリアレンジが調和していると思います。ストリングスの音色が随所で存在感を魅せてくれていると思います。サビでは小田さんの控えめなハイトーン。後ろの大型スクリーンのアップから引きながらの3人を映すアングルが印象に残りました。
くるりのお二人が主催するイベントで知り合ったという。自分が気になったら、年齢差など関係なく躊躇なく関わりを持とうとする小田さん。私もそうありたいと思っています。

カッコイイ2人


  • 恋バス (矢井田瞳&恋バスBAND with小田和正)

2008年の"矢井田瞳&恋バスBAND with小田和正"名義の共作シングル曲。ギターでの歌唱・演奏。頭上のミラーボール、イルミミーションがクリスマス的雰囲気を醸し出しています。小田さんの控えめでいて凝ったハモリアレンジが格好いいです。矢井田さんの魅力を存分に引き出していると思います。二人並んで歌唱・演奏する姿を、シンプルに前から捉えているところがまたいいです。イントロやリズムアレンジに「クリスマス・イブ」の雰囲気を感じるのは私だけでしょうか。


1981年のシングル曲。ギターでの歌唱・演奏。二人でギターを弾きながら楽しそうです。観客に囲まれた小さなステージ上で、二人でギターで演奏・歌唱しましたが、無条件に格好いい。小田さんの表情は少年のように輝いているように見えます。間奏のサックスが染みます。小田さんも低めのハモリとコーラスで融合していっている感じがしました。最後の大サビでのシャウトと、二人で向き合っでギターをかき鳴らすアングルを押さえたカメラスタッフに拍手したい気持ちになりました。全てにおいて格好いいの一言。
以前に、佐野さんの代表曲が好きだと彼自身に伝えたときのエピソードトーク。佐野さんがこの曲のメッセージの意味を語る。

この年の佐野さんの出演がきっかけだと推測するのですが、2009年7月に放送された、佐野さんの番組「ザ・ソングライターズ」の第一回ゲストとして小田さんが出演しました。なかなか興味深いトークでした。


東北大学建築科を卒業したあと早稲田大学大学院に進んだ小田さん。その母校である早稲田大学グリークラブから創部100年の記念にあたり合唱曲を依頼されたところから始まりました。


  • この道を行く

打合せ風景や大学講堂での練習風景。ステージ上では小田さん指揮のもと歌う学生諸君。年齢差がいくつあろうとも、てらいなく先輩・後輩の関係性を意識し大切にする小田さんの姿が清々しいです。「先輩」「後輩」という言葉の響きは、やはりいいものがあると思います。


2007年のソロシングル曲。NHK朝の連続テレビ小説「連続テレビ小説 どんど晴れ」の主題曲。2007年のアルバム「自己ベスト2」にも収録されています。ギター弾き語り。アカペラで始まるワンコーラスが静寂の中に響き渡ります。大サビでの張りのある硬質な高音のストレートボイスが、時に強く時に優しく私の胸に響いてきました。小さな丸ステージを観客が取り囲むのを、上から捉えるカメラアングルが印象的。
エンドロールでは、小田さんが歌うチューリップの「I dream」が流れていました。

ゲストも多くて非常に内容の濃い時間でした。準備や練習に相当時間を割いていると思うのですが、エネルギーが満ち溢れている感じがして素晴らしいです。


クリスマスの約束2008

ツアーが「クリスマスの約束」にやってきた

3年ぶりのツアー"今日もどこかで"を行った今年。そのツアーをこの番組に持ってきた形で進行。グレーのニット帽と黒系で大きな格子柄のジャケット姿の小田さん。


2007年のソロシングル曲。フジテレビ系ドラマ「ファースト・キス」の主題曲。ギターでの歌唱・演奏。途中で手拍子しながら、サビ前にギターを持つ仕草が格好いい。サビでのハイトーンのシャウトは真骨頂。明るめのライティングが鮮やか。ステージ後ろから小田さんの背中越しに観客を映すアングルが素敵。ストリングス、エレキの音色も存在感を示していました。


1979年のオフコースのシングル曲。やはりこの楽曲には”華”があります。あえて遠目からからのアングルで、モニターに映る小田さんの表情を捉えています。重層的な映像表現のように見えます。とにかくエレキのアレンジが光る名曲だと思います。少し上の方から、ステージ上で手を振る姿を捉えるカメラワークが新鮮です。サビでの張りのある高音が観客をそして私をグイグイと引っ張っていきました。年齢を重ねてきたからこその声の強さも堪りません。


「ご当地紀行」は、ライブ前に小田さんがカメラさんと街に出て、その土地の人々と触れ合い、その様子を飾らずに撮影しコンサート会場で流すといものです。小田さんのトークが面白く、そして茶目っ気たっぷりです。(放送されたのは15カ所ですが、ここでは割愛)

浜松市楽器博物館では、『手を触れないでください』の注意書きが。リトルワールドでは、『石の上に乗って遊ばないでください』の注意書きが。小岩井農場では、『立ち入り禁止』の看板が。それでも入っていきます(許可を撮っていての演出かも?)。独特の言い回しが面白く好奇心旺盛な小田さんです。


2005年のソロシングル曲。アルバム「そうかな」にも収録。ギターでの歌唱・演奏。アコースティックギターの音色がこの楽曲の魅力を引っ張っている印象。サビの硬質な高音のインパクトは飛び抜けています。ストリングスの魅力もフルに発揮されていると感じます。表情を捉えるカットが多いのもこの楽曲には相応しく思えます。バンドメンバーの稲葉政裕さんの楽曲後半のギター音色に泣けてきます。


  • さよなら

1979年のオフコースのシングル曲。ギターでの歌唱・演奏。ピンスポを背にして歌唱する姿を、右下から抑えるカメラアングルが、私が持っているこの楽曲のイメージそのもの。そしてキーボード、エレキ、ドラムのアレンジが秀逸。

ご当地紀行(放送された名勝地は4カ所ですが、ここでは割愛)。

どれも名だたる名勝地です。建築科出身ゆえか、その造りにいたく感心している様子でした。私はあまり旅行をしないし、文化財にもそれほど詳しいわけでもないのですが、見ていると自分が行ったような気になります。歴史や文化をより深く探求しすようする小田さん。

ご当地紀行(放送された商店街は8カ所ですが、ここでは割愛)。

ひと気がなく閑散とした商店街に足を運びます。シャッターを降ろしているお店も多く、いまの地方の経済的現状が伝わってきます。なかにはシャッターが一つも降りていない商店街もありました。地方の実情を知ろうとする小田さん。また、伊丹十三記念館では夫人の宮本信子さんと対面。


1980年のオフコースのシングル曲。ソロのアルバム「自己ベスト-2」に収録。ピアノでの歌唱・演奏。あらゆる方向に伸びるいくつものピンスポと黒系の背景とが神秘的な空間を作り出しているような感覚に陥りました。ピアノを弾く小田さんの背中越しのカメラアングルが忘れられません。ストリングスが効いています。そした大サビに向かうと同時に一気に引き上げるカメラワークが素敵の一言。コーラスも綺麗に聴こえてきます。間奏のピアニカに涙しました。サビではファルセットになるかならないかのギリギリのラインを綺麗な高音でシャウト。私は素人ですが、高度な技術に違いないと感じました。


1982年のオフコースのシングル曲。ピアノでの歌唱・演奏。ソロのアルバム「自己ベスト」に収録。黒系の背景にシンプルな白いピンスポで浮かび上がります。サビでは歌詞に気持ちをのせて、硬めの高音を響かせています。何度聞いても感動するのです。大サビでのシャウトからのロングトーンは最高傑作のひとつだと感じています。鍵盤へのタッチが限りなく優しく、メトロノームのようなバイオリンの伴奏が効いています。頭上から回転しながら降りてくるカメラワークが新鮮。


  • ラブ・ストーリーは突然に

1991年のソロシングル曲。ダブルミリオンの大ヒット曲。マイクだけでの歌唱。縦横無尽に歩きながら観客席に飛び込んでいく楽しそうな小田さんです。ミラーボールと輝くライティングが気持ちを高揚させます。小田さんのシャウトから観客席へのカメラターンが格好いい。

ご当地紀行(放送された名所は4カ所ですが、ここでは割愛)。

"くいだおれ人形"の横に立ち、通りすがりのみなさんに写メを撮られていました。こんなことをOKする懐の深い小田さん。散策中いろんな人たちに出会いますが、おばさん方には少々厳しめかもしれません。愛情の裏返しだと私は理解しています。地元の人とのふれあいを求める小田さん。

オフコース曲ミニメドレー5連発

ここから4曲は、オフコース時代の楽曲のメドレーです。稲葉政裕さんとツインギターで進行。昔よく聞いた曲というのは、懐かしさとともに自分の思い出の記憶と結びついているものだと感じます。


  • もう歌は作れない

1974年のオフコースのシングル曲。しみじみとした良曲だと思います。


  • 夏の終り

1978年のオフコースのアルバム「FAIRWAY」収録曲。リアルタイムでは聴いていないと思いますが、結構な頻度で聴いていた記憶があります。子供の頃、エアチエックした姉のカセットテープを聴いていたからだと思います。


  • 眠れぬ夜

1975年のオフコースのシングル曲。イントロのアレンジからウキウキしてしまいます。大好きな楽曲のひとつなのですが、この番組での演奏の回数はとても少ないと思います。ストリングスの重層的なアレンジが心に残ります。そのストリングスのみなさんを主軸的に捉えるアングルがとても気に入っています。


  • やさしさにさようなら

1978年のオフコースのシングル曲。ほぼオフコースの初期の作品については、ラジオかカセットテープで聴いていたのだと思います。ですからサビは間違いなく知っていますし、なんとなく口ずさめます。私の中では暖かい楽曲のイメージ。


  • between the word & the heart-言葉と心-

1988年のソロアルバム「between the word & the heart-言葉と心-」のタイトル曲。テレビ朝日系「渡辺篤史の建もの探訪」のテーマ曲。この楽曲を初めて聴いたのは何だったのでしょうか。前述のテレビ番組だったのか、思い出せません。軽快なリズムの楽しそうな楽曲というイメージ。


  • おやすみ (松たか子)

2007年の松たか子さんのアルバム「Cherish You」収録曲。小田和正さんの作詞作曲。小田さんのソロ時代から支えてきたギタリストの佐橋佳幸さんと、昨年結婚した松たか子さん。そして松さんの10周年アルバムに、小田さんが提供した楽曲です。佐橋さんのアコーステイクギターが切なく、静かなメロデイーとやさしい歌詞。ムード感あふれる松さんの声、小田さんの暖かいハモリが素敵です。静寂の中に重なり合って響いてきました。両隣に小田さん佐橋さん、真ん中の松さんを、真正面後方からズームし佐橋さん松さんだけの構図を押さえるアングルは、TBSスタツフからの無言の祝福のように私には思えました。とても静かな時間が流れています。
佐橋さんが語る楽曲を聴いた際のエピソード。小田さんの「人への優しさ」が垣間見れた気がしました。


2008年のソロシングル曲。2011年のアルバム「どーも」に収録。フジテレビ系「めざましテレビ」の2008年度テーマ曲。2008年は、私自身横浜アリーナに見に行ったので、ツアータイトル曲のこの楽曲には思い入れがひとしおです。佐橋さんのギターと松さんのコーラスで。マイクをポンポンと叩きながら突き抜けるような綺麗なハイトーンの小田さん。控えめな松さんのコーラスも上品。今回のこの歌唱、恐ろしく完成度が高い。今年の各地のツアーの映像も。マイクを両手で握って歌う姿が印象的です。照明、音響、カメラワークどれもが素晴らしかったです。


透徹した目

今年11月に亡くなられたニュースキャスターの筑紫哲也さんについてのお話。


アルバム「どーも」の収録曲。この番組のテーマ曲ですが、その制作の経緯を話しています。ピアノでの歌唱・演奏。黒目の背景に抑えめのライティングがいいです。小田さんの後方上からゆっくりと回り込み、ピアノ越しに近づくカメラワークは秀逸です。大サビでの硬質な高音が暗闇を切り裂いている感じがあります。モニタに映るいろいろな”空”の映像が効いています。

今後の活動について

来年はどうすんだということになりますが、なんだか最近は他愛のない愛の歌を書きたいなとか、気楽なライブがいいなとか、思ってます。私はちょっと疲れたんでしょうか。でもリベンジで一発また走り倒さなきゃなとも、また思っています。とにかく元気でみんなの前にまた現れられたら、それだけできっと私は満足であります

~番組内の小田さんのコメントを引用~

との言葉が心に残った。この番組も「風のようにうたが流れていた2004」を含めれば今年で8年目。ひとつの番組を作り上げるのには相当なエネルギーがいるのだと思います。そして長くやり続けることはもっと大変なことなのだと感じました。それでも自分を見失わず走り続ける小田さんに脱帽です。


  •  さよならは 言わない(小田和正)

2009年のソロシングル曲。2011年のアルバム「どーも」に収録。フジテレビ・関西テレビ系ドラマ「トライアングル」の主題曲。いまの気持ちを書いたという楽曲。観客なしでの収録です。ピアノでの歌唱・演奏。暗闇の中の一本のピンスポ。このシンプルさ堪りません。この構図が一枚の絵画のように感じました。サビでの真っすぐな高音とロングトーンに心の震えを感じました。


ご当地紀行をする中で、音楽だけではなく社会、経済、文化、歴史、そして人々の生きる姿を"透徹した心の目"で見つめ続ける小田さん。そしてこの番組の底に流れている人とのつながりを大切にするというテーマに、私はいま一度深く共感しました。エンドロールでは、小田さんが歌う、「この日のこと」が流れてきました。


クリスマスの約束2009

小田さんがやりたかったこと

この年の「クリスマスの約束」は、この記事を書いている2021年までの番組のなかでも特に傑出していると思っています。素晴らしい。いろんなことを考えさせられました。そして感動したのです。このことを、どうしても最初に書いておきたいと思ったのです。
この年の「ギャラクシー賞」受賞番組。

今年の企画は・・・

ピンクと白のカーデイガン、白いスボンに白い靴という姿で登場。


2000年のソロアルバム「個人主義」に収録。自動車メーカーのCMソング。ピアノでの歌唱・演奏。サビの切り裂くようなハイトーンは強烈。曲調に合わせるかのように、ゆっくりとピアノに近づくカメラワークが冴え渡っています。ステージから離れた場所での歌唱・演奏には虚を突かれました。ゆっくり回る円形のライティングがお洒落。

今年の企画は「大勢のアーティストが集まりそれぞれの持ち歌を一気に歌いたおす」というもの。かねてより小田さんがやりたいと思っていたことだったようです。様々なアーティストに参加のお願いの手紙を出した小田さん。企画を進めるにあたり「小委員会」なるものを作り進めていきました。そのメンバーである、STARDUST REVUEの根本要さん、スキマスイッチの大橋卓弥さん、いきものがかりの吉岡聖恵さんが登場しクリスマスソングを歌唱・演奏。


  • きよしこの夜
  • クリスマス・イブ (山下達郎)

1曲目は、アカペラで吉岡さんの主旋律に3人のハモリ歌唱。吉岡さんの声は伸びやかで優しく聴きやすい声質だと思います。
また、アコースティックアレンジでの達郎さんの曲もまた雰囲気があり素敵でした。4人に大きく近づいた瞬間からのストリングス奏者への切り替わりのカメラワークが実に格好いい。出だし2回ギターを弾き間違えた小田さん。この辺をカットしないTBSさんが粋。


悪戦苦闘&私が思うこと

8月に「小委員会」なるものを作り、メンバーとして小田さんを筆頭に、おもに根本要さん、いきものがかりの水野良樹さん、スキマスイッチの大橋卓弥さん常田真太郎さんで進めていきました。小田さんの「一人一人が責任を持ち一丸となって最後まで歌いきること」「全員で歌うこと」という提案に、みんな戸惑い気味。消極的な意見が多い中、なんとか理解してもらおうと言葉を尽くす小田さん。ここで消極的な一言。

何人かのアーティストに来てもらって歌入れをしてもらい仮のメドレーを作成。この後本格的な音源作りへ。しかしその後の小委員会で厳しい意見が。(何のために歌うのか、時間が足りない等)この日も小田さんは粘り強く自分の気持ちを伝えようと懸命なように見えました。話し合い後につぶやいた一言が胸に響く。

TBSさんとの打ち合わせ。このメドレーを何のためにやるのか分からないと気持ちが入らないかもしれないと言われ、一瞬顔を強張らせたように見えましたが、感情的にならないように努めているような気がしました。丁寧に言葉を重ねていくところは、小田さんの真骨頂か。

言葉にするものじゃないところで、何かを越えていこうとしている企画だと思うんだよな

~番組内の小田さんのコメントを引用~

両手を頬にあてて考える姿が脳裏に焼き付いた。それとこのシーン。私がテレビ局サイドにいたとしたら、カットしたくなると思うのですが、そのまま流したTBSさんは凄いと思いました。

ここまでの一連の打ち合わせ映像を見て思ったことがあります。会社員としても学ぶべき要素がたくさんあるということでした。小田さんがサラリーマンだったとしても、成功しただろうと思うのです。会社では頻繁になにがしかのプロジェクトがあります。そのリーダーになり苦労した方も少なくないと思います。かく言う私も似たような経験がありました。プロジェクトですから必ずゴールがあるものです。明確にイメージされているもの、または辿り着いてみないとその形が見えないものと様々です。こうした場合まずはWG(ワーキンググループ)を作り、少人数での討論から入るのが適当かと思います。いきなり大人数の会議では、話が進みづらいからです。

そして討論の場では、いろいろな考えを持った人がいるわけで、いきなり皆が同じ方向を向くようになることはまずはないと思います。リーダーである自分に批判的な意見も当然あるでしょう。そんな時に感情的になってしまうと失敗しがちです。相手の意見に十分に耳を傾け受け止めながら、努めて冷静に、そして丁寧に自分の考えを話して理解してもらう努力が必要だと思います。

そして徐々に煮詰めていき、テストを繰り返して本運用に繋げていく感じになります。そんな時、上層部から、そのやり方は理解できないと言われたらどうするのか。強い言葉も飛んでくるかもしれません。やはりここでも、言葉を重ねて理解してもらうように努めることが大切だと思います。そしてOKをもらったら、ゴールに向かってラストスパートです。苦労の大きさが、成功した時の達成感の大きさに比例してくるものなのかもしれません。

上述したことは、そのまま小田さんとアーティストのみなさん、TBSさんとの関係性と似ていると思っています。私がこの年の「クリスマスの約束」に感動する理由は、ここにあります。アーティストたちの歌唱に感動したのが大前提としてありながらも、小田さんの本番までの過程のドキュメントに心打たれるのです。この年の「ギャラクシー賞(その年の最も優れたテレビ番組に与えられる賞)」に選ばれたのもこうした要素があったからではないでしょうか。そんな気がしてなりません。


アーティストみんなのスケジュールを網の目を潜り抜けるように調整し、練習に練習を重ねる日々。みんな大変そうだが、どこか学校みたいに楽しそうでもある。本番近くのある時に一言。

ここまで来た...

~番組内の小田さんのコメントを引用~

食事会を兼ねた団結式で、小田さんが大メドレーのタイトルを、演奏時間の22分50秒から「22'50"」と発表。小委員会のメンバーも他のアーティストたちも初めの頃とは全く違った充実した表情。もう後ろ向きなコメントは一切出ない。本番前にみんなの気持ちをひとつにしようと、小田さんの気配り、目配り、心配りがいたるところに現れています。やはりコミュニケーションの充実はどんな世界でも大切だと感じます。

本番へ

この番組が始まったときに作ったテーマ曲からスタート。そしてトップバッターの藤井フミヤさんが歌いだすと、観客が総立ち。一気に会場が盛り上がっていく。鳥肌もの。

  • この日のこと (全員)
  • TRUE LOVE (藤井フミヤ)
  • 今夜だけきっと (スターダストレビュー/根本要)
  • ロマンスの神様 (広瀬香美)
  • 明日がくるなら (JUJU)
  • 明日、春が来たら (松たか子)
  • 友達の詩 (中村中)
  • La La La (SING LIKE TALKING/佐藤竹善)
  • 恋におちたら (Crystal Kay)
  • Story (AI)
  • 夢で逢えたら (ラッツ&スター/鈴木雅之)
  • ハナミズキ (一青窈)
  • 翼をください (赤い鳥/山本潤子)
  • HOME (清水翔太)
  • YES-YES-YES (小田和正)
  • LIFE (キマグレン)
  •  (Aqua Timez/太志)
  • 全力少年 (スキマスイッチ/大橋卓弥)
  • Jupiter (平原綾香)
  • 涙そうそう (夏川りみ)
  • 青春の影 (チューリップ/財津和夫)
  • 帰りたくなったよ (いきものがかり/吉岡聖恵)

それぞれのアーティスト全員が素晴らしいパフォーマンス。この感動をそれ以上の言葉で書くことは私には難しいです。

鳴りやまぬ拍手。ハイタッチ、ハグ、目を潤ませるアーティストたち。左手で目を押さえる小田さん。第一声は...

どうもありがとう!

~番組内の小田さんのコメントを引用~

ここまでで、鳴りやまない拍手の時間は3分30秒(私の実測)。そして、この感動を言葉にしたくないという小田さん。分かる気がします。

言葉を大切にする小田さんが、あえて言葉にして語りたくないという。そう、大感動の際には余分な言葉は陳腐になり不要なのだろうと思います。各アーティストたちがコメントをしているのを、目を潤ませ微笑をたたえて聞く小田さんの表情がすべてを物語っていると感じました。


最後に、みんなで「たしかなこと」をユニゾンで大合唱。その前にバンド、ストリングスのみんなに感謝の言葉を述べる小田さんの誠実さ。アーティストの多くが涙をためながらも、一糸乱れぬ歌唱。やはりみんなプロ。歌が終わり、バンド演奏だけになると小田さんは両手で目を押さえて涙。まるで純真な少年のよう。そういえば1982年の武道館コンサートで涙で歌えなくなった「言葉にできない」が蘇ってきました。


  •  たしかなこと(小田和正)

数日後の事務所。パソコンに向かい、アーティストたちへ手紙を書いているショット。「奇跡に近いものだったのかもしれない」という内容。振り返れば誰も出てくれなかった第1回から始まり、大勢のアーティストが集まり大団円に終わった今年は、ひとつの到達点なのかもしれないと思いました。珠玉の放送回。そして良質なドキュメンタリー映画を一本見た感じでした。エンドロールでは、「この日のこと」が流れていました。

小田さん、アーティストのみなさん、TBSのみなさんが同じ気持ちで走り切ったからこその感動に、私は感動しました。そして今回の番組を通して一番感じたこと。それは、歌のすごさはもちろんだが、小田さんの人を引っ張っていく力。「個性の強い多くのアーティストを粘り強くまとめ上げた力」、そして「地道な話し合いによって成功裏に導いてきた力」だ。私も一人の社会人として数多くのことを学ばせてもらいました。苦しい道を乗り越えてきたからこその涙。いつの日か私もそんな涙を流してみたい。最後に、小田さん、アーティストのみなさん、TBSさん、この番組に携わってくださったすべての皆さんに感謝しています。ありがとうございました。


クリスマスの約束2010

今回は赤レンガ倉庫から...

濃いグレーのセーターに黒系のズボンで登場。


  • Today

小田さんとゲストのみなさんで合唱。STARDUST REVUEの根本要さん、スキマスイッチの大橋卓弥さん常田真太郎さん、MONGOL800のキヨサクさん、清水翔太さん、JUJUさん、Kiroroの玉城千春さん、松たか子さん、山本潤子さんです。重層的に聴こえてくるコーラスです。


1995年のシングル曲。今回のメインボーカルはJUJUさん。歌が上手でムード感を存分に漂わせる歌唱に聞き入ってしまいました。小田さんとゲストのみなさんのコーラスが綺麗です。オリジナルアレンジのハモリもこの楽曲をきっちりと支えている感じです。


1994年のシングル曲。今回のメインボーカルは大橋さん。弾き始めてすぐに大橋さんの弦が切れるハプニング。演奏を続ける大橋さんですが、左横に座っている小田さんがチラッと見て気づき、ストップさせるところは流石です。このライブ感がたまりません。大橋さんの力のある声質が光っています。ゲストメンバーのコーラスも心地いいです。楽しい気持ち満載。濃密な時間の流れを感じました。


昔のライバルは今では...


  •  冷たい雨(ハイ・ファイ・セット)

1976年のシングル曲。作詞作曲は荒井由実名義のユーミンさんです。当時、ハイ・ファイ・セットとして活動していた山本潤子さん。今回のメインボーカルももちろん潤子さん。低音から高音まで自在に操り、けれんみの無い声質が気持ちよく響きます。表現が適切かどうか分からないのですが「カッコいい」です。"雨"を感じさせるライティングが凝っています。間奏の要さんのエレキのアレンジが格好いい。斜めの角度から、潤子さんと後ろの小田さんだけを捉えるアングルが印象に残りました。
「小田くん」と呼べる潤子さんと小田さんの関係が羨ましくもあります。オフコースが売れる前、学園祭で潤子さんのハイファイセットの前座をした際はじめてアンコールをもらったエピソード。


  • ラブ・ストーリーは突然に

1991年のソロシングル曲。ダブルミリオンを記録した大ヒット曲。メインボーカルはもちろん小田さん。アコースティックなアレンジでの演奏もまた違った色彩を放っています。コーラスも控えめながらもこの楽曲にアクセントを付けています。少しゆっくりめのテンポで聴くのも味があると再発見。


1972年のガロのアルバム「GARO2」からのシングルカット曲。カップリング曲の「学生街の喫茶店」の方が、よく耳に馴染んでいますが、今回演奏した楽曲もとてもいい曲だと思いました。小田さん要さん大橋さんのギター、常田さんのピアノでの歌唱・演奏。3人のコーラスが美しいです。
ガロと友達だったという小田さん。


  • 未来へ (kiroro)

1998年のシングル曲。玉城千春さんの歌唱力の高さは健在。高音を軽く伸びやかに出し歌唱していました。楽曲の良さが輝いています。
この番組の初期から出て欲しかったという小田さん。千春さんの音楽との葛藤に関するトーク。


1998年のメジャーデビューシングル曲。間髪入れず、女性陣の綺麗なコーラスから入っての歌唱。千春さんの歌の上手さは素晴らしいと思います。昔何かの番組で、ラジカセで多重録音して曲作りするところを見た記憶があるのですが、まさに「才能のかたまり」。オリジナルのハモリアレンジもこの楽曲を、静かにそして色鮮やかに染め上げているように感じます。この楽曲の色合いが好きです。2曲ともと2008年のアルバム「 長い間 ~キロロの森~」に収録。
デビュー前、小田さんにこの楽曲のプロデュース依頼があったというトーク。


  • 500マイル (訳詞:忌野清志郎)

2006年の「HIS(忌野清志郎さん細野晴臣さん坂本冬美さんのユニット)」のアルバム「日本の人」収録曲。原曲に忌野清志郎さんが訳詞したバージョン。今回のメインボーカルは松たか子さん。忌野清志郎さんとの想い出を語る松さん。清志郎さんの訳詞が素晴らしいです。シンプルな詞の中に温もりが溢れています。また松さんはやはり本質的には役者さんだと思います。自然に感情を歌にのせて表現していると感じます。まっすぐな声質。小田さんのハモリも素敵でした。


共作


  • 思い出はうたになった (オダ☆レビ)

「思い出はうたになった」というタイトルです。作詞は小田さん、作曲は要さん。ユニット名「オダ☆レビ」。今回はスキマスイッチの大橋さんもギターとコーラスで参加。歌詞が優しく、要さんの包み込むような暖かい声にうっとりしました。そして小さめの声でハモリパートを歌唱する小田さんの、要さんへの優しさが伝わってくる感じでした。要さんメインのカメラワークもこの歌詞にはピッタリだと思うのです。
スターダストレビュー25週年のライブ開始直前に小田さんと作ったという曲。


2009年のシングル曲。日本人離れした歌唱力は、個人的にはデビュー時の久保田利伸さんを思い出します。お二人とも半端ない歌唱力があると思っています。そして高音の魅力。"天性の何か"をもっているそんな印象。"小田さんは翔太さんには甘い"という大橋さん。


  • 惑星タイマー (福耳)

ユニット名「福耳」の2006年のシングル曲。スキマスイッチのお二人も参加しています。今回のメインボーカルは大橋さん。ボーカルとしての確かな力を感じた大橋さんの歌声。サビのコーラスもハモリも含めて耳に心地よく届いてきました。


2001年の代表曲です。メインボーカルはキヨサクさん。強烈な個性を放ち、味のある歌い方が素敵。アコーステイックなアレンジがとても新鮮です。
途中で、小田さんの肩に手をのせるお茶目なキヨサクさん。回転するライティングが遊園地のようです。やはりノリがいい楽曲で、みんな楽しそうです。最後の締めは小田さんが。


小田さんが最初に歌ったTodayの詞の内容を説明し、再び皆で合唱。

  • Today

観客からのアンコールに、会場が横浜ということでラストの一曲。1993年のソロアルバム「my home town」のタイトル曲。

歌唱前に、スタッフ、バンドメンバー、ストリングスメンバーに感謝を述べ、そして10回目を迎えることができたことに対してTBSスタッフに感謝の言葉を述べる小田さんの姿に感銘。やはり気配りの人だ。ピアノ弾き語り。静かに寄り添うようなコーラスも素敵。大サビ前から一段音圧を上げての歌唱は圧巻。みなとみらいの夜景が綺麗でした。エンドロールでは、「Today」のインストルメンタルが流れていました。


クリスマスの約束2011

大震災のあった今年...

薄い黒のセーターと黒のスボンで登場。


  •  僕の贈りもの(小田和正)

1973年のオフコースのシングル曲。ギター弾き語り。綺麗な歌声が響き渡ります。左から右へと近づきながら離れていくカメラワークが洒脱。薄木漏れ日の日差しを感じさせるライティングが素敵です。楽曲の後半部をこの番組に向けた歌詞に変えての歌唱が嬉しく感じました。こうしたアイデアと拘りが堪りません。


  • 愛と風のように(バズ)

1972年のシングル曲。今回はSTARDUST REVEUの根本要さん、スキマスイッチの大橋卓弥さんと3人でギター弾き語り。当時自動車メーカーのCMソングに起用されていました。オリジナルのハモリアレンジが格好いい。美しいコーラスも楽曲を引き立てていました。ステージ後ろから捉える3本のピンスポのカメラアングルが印象的。バズとは仲が良かったという小田さん。


昔のライバルは今では...


  • 魔法の黄色い靴 (チューリップ)

1972年のメジャーデビューシングル曲。スキマスイッチの常田真太郎さん、いきものがかりの水野良樹さんが加わり、今回は諸事情により来ることができなかった財津和夫さん作詞作曲の楽曲を歌唱・演奏。大橋さんの伸びやかな声と4人の安定感のあるコーラス。クオリティが高くしみじみと聴き入りました。


  • 卒業写真 (ハイ・ファイ・セット)

1975年のデビューシングル曲。「ハイ・ファイ・セット ベスト DQCL-2105」収録。荒井由実さん(現在の松任谷由実さん)ユーミンの作詞作曲の楽曲であり名曲中の名曲。山本潤子さんを迎え6人での歌唱・演奏。今日の潤子さんは椅子に腰かけギターの弾き語り。この姿自体がすでに格好いいです。赤い鳥、ハイファイセットのボーカルとしての活躍してきたことは承知していますが、やはり上手い。聴いていて気持ちいいほどの伸びのある歌声。セピア色に似たライティングに、高校生時代の甘酸っぱい想い出が視覚的によみがえってくるような気がしました。控えめなコーラスも素敵。ほんの一瞬だが、小田さんの"聴き入っているような表情"が印象的。とにかく潤子さんの"カッコよさ"が際立ったステージでした。感動。

昔はMCは全然喋れなかったという小田さん。当時を潤子さんと振り返りトーク中に、

昔の自分をね、知ってくれる人がいるというのはね、みんな若いから分かんないと思うけど、なんとなくすっごい嬉しいよね

~番組内の小田さんのコメントを引用~

アマチュア時代からの古い付き合い。友達っていいなと思わせてくれるお二人です。

大メドレー再び...

震災のあった今年。2009年以来2年ぶりに大メドレーをすることに。タイトルは前回同様、演奏時間であるところの「28'58"」。総勢42人。今回も練習、練習。2年前にも感じたことですが、大人数の歌手をまとめ上げ団結させる力は相当なもの。黒いキャンバスに白いペンで全員のサイン。中心には「また集まったよ!」の言葉。震災に関して番組内では直截的な表現や言及を避け、歌でその思いを伝えようとしていたと感じましたが、深く透徹した考えがないと難しいと思うのです。答えは観客の表情と盛り上がりがすべて。

「We Wish You a Merry Christmas」の全員合唱からスタート。

  • この日のこと (全員)
  • もらい泣き (一青窈)
  • め組のひと (ラッツ&スター/鈴木雅之)
  • my sweet darlin' (矢井田瞳)
  • アイシテル (清水翔太)
  • 桜の雨、いつか (松たか子)
  • 空はまるで (MONKEY MAJIK)
  • 決意の朝に (Aqua Timez)
  • 風立ちぬ (中村中)
  • 長い間 (Kiroro/玉城千春)
  • Another Orion (藤井フミヤ)
  • Sprit Of Love (SING LIKE TALKING/佐藤竹善)
  • Kiss (Crystal Kay)
  • 童神~ヤマトグチ~ (夏川りみ)
  • キラキラ (小田和正)
  • FEVER (TRICERATOPS/和田唱)
  • ヒーロー (FUNKY MONKY BABYS)
  • ガラナ (スキマスイッチ)
  • 風になりたい (THE BOOM/宮沢和史)
  • 新世界 (平原綾香)
  • また明日... (JUJU)
  • 木蘭の涙 (STARDUST REVUE/根本要)
  • 小さな恋のうた (MONGOL800/キヨサク)
  • あえないウタ (キマグレン)
  • ありがとう (いきものがかり)
  • この日のこと (全員)

小田さんのほっとした表情と一瞬目を拭う姿。歌唱後のトークでは、私的にはMONKEY MAJIKのカナダの二人が漢字をローマ字にして一生懸命に覚えたというくだりに込み上げるものがあります。仙台を拠点に活動していた彼ら。震災後は精力的にボランティア等幅広く活動している彼らがこのメドレーに参加していることが、メッセージのひとつなのかもしれないと勝手に思ったりもしました。

歌唱終了後に小田さんは、

願わくば、ホントに、こうして集まってくれた大勢の人たち、そしてテレビの前の人たちがほんの少しの時間でも幸せな時間を過ごしてくれていたとしたら、さらに、さらに嬉しく思います

~番組内の小田さんのコメントを引用~

とのコメント。素晴らしいステージだった以外の言葉はありません。最後は全員で合唱して締め。エンドロールでは、「Today」が流れていました。


  • Good Night

とても多くの犠牲者を出した大震災の今年。その年に、歌手として、エンターテインメント番組として、どうすればいいのか、何をすべきなのか、という問いかけ。思い返してみますと、当時は自粛ムード一色であった時期がありましたが、誰もが手探りの中で、自分にできることを一生懸命に考えていたのだと思います。私も含めて。そして「クリスマスの約束」の時期が来ます。そして、番組内では、あの悲しい出来事に直截的には触れずに、シンプルに音楽だけを届けるという構成にし、番組を作り上げて下さった小田さんとTBSさん、ならびに全ての関係者のみなさん。ありがとうございました。私はメッセージを受け取りました。そして今でも強く私の心に刻まれている、2011年の「クリスマスの約束」でした。


次は、2012年~2016年についてです。