TOP > 体験記 > 社会福祉士への道part1 > part4

社会福祉士の養成専門学校のレポート課題
part4

作成日:2022.02.12
All written by ©masalifeclub

#22 現代社会と福祉2

課題テーマ

多様なサービス主体の参入による福祉構造の変化に注目して、我が国の福祉サービスの民間福祉活動の果たす役割についてまとめなさい。
(1500文字以内)

★私の回答文

近年の多様な福祉ニーズに対応すべく、その供給主体も多様化してきている。生活支援システムを構成するセクターは、①政府セクター②民間セクター③民営セクター④インフォーマルセクターの4通りがある。①は、国と自治体であり、その行動原理は社会の正当性と統合性を高めることを行動原理としている。②は、地域の互助団体、社会福祉法人、NPO法人などの公益法人、協同組合等であり、公益性と社会的使命の追求と達成を行動原理としている。③は、会社、事業所、個人等であり、市場メカニズムによる利益の増殖を行動原理としている。④は、親族、友人、知人、近隣住民、民生委員・児童委員等から構成される地域共同体であり、助け合いを通じて親密性を維持することを行動原理としている。

社会福祉における政府セクターと民間セクターとの役割関係、役割分担においては整理してみる。イギリスにおいて、平行棒の理論では、政府セクターと民間セクターは、それぞれ本来的に異なった性質をもつ課題に対応する事業であり、両者が交錯することはあり得ないとする。一方繰出し梯子の理論では、民間セクターの役割は、その自主性と創意のもとに、先駆的、実験的な課題に挑戦し、その成果を公的部門に引き継ぐことによって政府セクターによる施策を先導することにあるとする。また、ベブァリッジ報告ではナショナルミニマム概念から、国家の責任は最低限度の生活の保障というある種の歯止めを設定したといえる。戦後の日本においては、公私分離の原則から、社会福祉事業法において政府セクターと民間セクターが相互に責任転嫁、干渉、依存のなて自立した関係を求めていたが、現実には政府セクター独力では戦後混乱期の福祉需要に対応できず、民間セクターに依存せざるをえなかった。そうしたなか、80年代に入ると民間活力の活性化などが推進され、政府セクター中心の枠組みを修正し、公助、互助、自助という新しい概念の創出から、国民の自助努力を促し、民間セクターの役割を強調した。90年代に入ると、福祉ミックス論や福祉プルーラリズム論により政府セクターを大幅に縮小させ、民間や民営セクターによる参入を拡大ざるべきとの主張である。ただこうしたことが、自体の改善をもたらすかといえば、そうではない。介護分野では、居宅介護サービスへ企業の参入が始まり、大都市部においては7、8割が個人や企業による指定業者によって提供されているという事実があるが、不祥事も多発し、利益の極大化を目指す民営セクターが規範性や公益性が求められる福祉サービスの供給主体として馴染むのか議論が多い。インフォーマルセクターによる支援が、政府・民間等のセクターによる福祉サービスの提供が開始されるまでのつなぎとして重要な役割を果たしている。

近年では、「新しい公共」論が提起され、国や自治体による社会福祉のみならず、民間の互助団体、NPO等の公益法人、さらには企業のフィランソロピー活動なども含めて、公共として扱うというもので、これからの社会福祉のありように重要である。この構想の発展を裏付けるように、90年代以降の民間セクターの拡大は顕著であり、NPO法人や生協、農協等の指定事業者としての活動の拡大がみれるが、活動体として組織性、継続性、安定性、財務性などの確保には、多大なエネルギーが必要とされる。サービスを提供する組織として中心的な役割を担っているのは、民間セクターであることは間違いないが、各セクターの連携と協働による総合的なサービス供給が求められているのである。(1458文字)


振り返って...

福祉サービスが政府のみならず、民間組織によって支えられている現実を軸に論述しましたが、その果たす役の大きさにももう少し触れたかったかんじ。評点:80点(評価A)合格
keyword:NPO法人、福祉ミックス論、フィランソロフィー活動etc...

#23 相談援助の基盤と専門職2

課題テーマ

総合的かつ包括的な相談援助が求められる背景、基本的視座、機能についてまとめなさい。
(1500文字以内)

★私の回答文

総合的かつ包括的な相談援助が重視されるようになった背景として、以下の5つが挙げられる。第一に、生活課題の多様化により従来の法制度等の枠組みでは対応できない課題が出てきたこと、第二に、ソーシャルワークが対応すべき課題の深刻化、多様な問題が複雑にからんでいること、第三に、クライエントの「問題」だけに焦点を当てるのではなく、クライエントを全人的にとらえること、第四に、住民主体の地域課題の解決を目指す地域福祉の強力な推進の必要性第五に、社会福祉基礎構造改革の影響、である。総合的かつ包括的な相談援助は、地域を基盤としたソーシャルワークの実践が重要であり、その基本的視座は、以下の4つに整理可能である。

第一に、「本人の生活の場で展開する援助」である。特定の問題を特定の機関による相談解決するという形態ではなく、本人の生活の場での援助を展開することにより、①クライエント本人の地域、即ち生活全体に焦点を当てた援助を可能にする②環境と本人との一体的支援により、システムとしての全体的変化を促す③援助機関のクライエントに対する長期的働きかけが可能になる、などの影響をもたらすことを、理解することが重要である。第二に、「援助対象の拡大」である。本人の生活の場での援助展開の実施により、クライエントの抱える生活のしづらさがもたらす多様な課題に対応するためその対応範囲を広げていくことが重要である。第三に、「予防的かつ積極的アプローチ」である。問題が深刻化する前に対応することによって、より効果的な援助を提供するという予防的アプローチと、サービスを拒否していたりニーズや課題に気づいていない人たちに対して、積極的に働きかける積極的アプローチが重要である。第四に、「ネットワークによる連携と協働」である。複数の援助機関やワーカー、地域住民、ボランティア等が、ネットワークやチームを形成して連携と協働によって援助することが重要である。

次にその機能については、以下の8つに整理可能である。第一は、「広範なニーズへの対応」である。社会福祉六法等の従来の枠組みに拘泥しない援助対象の拡大、地域生活上の「生活のしづらさ」という広範なニーズへの対応などである。第二は、「本人の解決能力の向上」である。課題解決の主体を当事者本人におく、問題解決能力やエンパワメントの重視などである。第三は、「連携と協働」である。地域における複数の機関の連携と協働による問題解決アプローチの重視、地域におけるケースカンファレンスの重視などである。第四は、「個と地域の一体的支援」である。個への支援に地域の力を活用ることの相乗効果の理解、「一つの事例が地域を変える」という積極的展開などである。第五は、「予防的支援」である。地域住民・組織による早期発見機能と予防的プログラムの重視、状況が安定してからの見守り機能による継続的支援の展開、発見から見守りまでの長期的対応などである。第六は、「支援困難事例への対応」である。深刻化と複雑化の様相を呈する支援困難事例への適切な対応、専門職による高度なアプローチのためのケースカンファレンスの開催などである。第七は、「権利擁護活動」である。虐待事例等の権利侵害事例に対する権利擁護の推進、セーフティネットの拡充、成年後見制度等積極的活用などである。第八は、「ソーシャルアクション」である。クライエントの声を代弁する形でのソーシャルアクションの展開、住民の参画と協働による地域福祉計画の策定、ソーシャルインクルージョンの推進などである。(1457文字)


振り返って...

包括的になりつつある要因をいくつか挙げて論述しましたが、アプローチ方法が地域基盤に変化していく時代的背景についても触れた方がよかったと思います。評点:70点(評価B)合格
keyword:ネットワーク、連携と協働、権利擁護etc...

#24 低所得者に対する支援と生活保護制度

課題テーマ

生活保護法における『保護の補足性』について、その概要と生活保護法実施上の役割について述べなさい。
(1500文字以内)

★私の回答文

生活保護法とは、憲法25条のにおける生存権の理念に基づき国が生活に困窮している人々に対して、国の責任で生活を保障するものである。そしてその第4条において「保護の補足性」の原理が記されている。この原理は、生活保護を受けるための前提条件を規定したものであり、①資産の活用②能力の活用③その他あらゆるものの活用④扶養の優先⑤他の法律による扶助の優先といった要件をもっており、その確認のためにミーンズテストが行われる。①は、所有資産を最低生活のために活用しなければならず、資産としては、土地、家屋はもとより生活用品なども含まれる。またその活用方法は、a当該資産の本来の用途に従って活用すること、b売却して売却代金を生活費に充てることの2つに分けられる。原則的な考え方は、処分するより保有活用することのほうが実効が上がる場合には処分しなくてもよい。具体的な取り扱いは、機械的ではなく、個々の世帯の事情や地域の実態に合わせて決められるべきである。また、税による救済という観点から、地域住民、特に低所得者層との均衡は意識されなければならない。

②は、労働能力があり、適当な就労先があるにもかかわらず、就労しようとしないものは保護の要件を欠く。ただし、求職活動をしても就労先が見つからないときは、保護要件に該当する。③は、あらゆるものを活用することが求められており、申請などによって資産となり得るものも対象であり、自分の力で生活が維持できるように努力することが必要である。④は、生活保護法では、民法の扶養義務者の扶養義務の履行を保護に優先させており、特に、夫婦間および未成熟の子に対する親には強い扶養義務がある。⑤は、生活保護法が、公的救済制度の最終段階の制度であることから、他の法律による扶助を受けることが可能な場合には、まずその扶助を受ける必要があるという、「他法他施策優先の原理」である。つまり、保護を受けるには、各自の能力に応じて、最善の努力をすることが先決であり、それでもなお最低限の生活の維持が困難な場合に初めて保護が行われることを意味している。

生活保護の決定・実施プロセスは、原則として、要保護者が申請を行い、保護の実施機関が保護の要否の調査をし、保護が必要な場合にその種類、程度及び方法を決定し給付を行う。この中の保護の要否を調査することが、補足性の原理を満たしているかどうかを確認するためのミーンズテストであり、生活保護制度の適正な運用を担保する極めて重要な役割を果たしている。このプロセスに沿った相談援助過程では、インテーク→アセスメント→プランニング→インターベンション→モニタリング→エバリュエーション→ターミネーションという流れになるが、保護の補足性を確認する作業は、主にアセスメントであり、最低生活の保障と自立の助長のための情報収集を行うものである。ここでは、生活歴(生育歴・職歴・病歴等)の聴取、家族・親族状況の確認(上述④等)、資産状況の確認(上述①等)、労働能力の確認(上述②)、他方他施策の確認(上述⑤)、要否判定(収入と最低生活費の対比)、情報収集に基づく分析と評価を行う。これにの調査をおこなっていくには、調査の趣旨や目的を利用者が分かるように伝え、利用者の理解のもので実施していくとともに、その際に利用者のパライバシー保護に最新の注意をもって行うことが求められる。(1393文字)


振り返って...

生活保護の役割について列挙し過ぎた感じで論述しましたが、ミーンズテストについてはもう少し具体的な記述をすべきだったかと思います。評点:80点(評価A)合格
keyword:ミーンズテストetc...

#25 相談援助演習4

課題テーマ

相談援助における記録の意義と方法についてまとめなさい。
(1500文字以内)

★私の回答文

社会福祉の現場では数多くの記録業務が存在しており、社会福祉士等が記録に関する知識をもつことは極めて重要である。記録業務は以下の4つの行動からなる一連のサイクルであり、ソーシャルワーク業務の中の管理業務として位置づけられる。①記録を活用する目的を明確にし②その目的を達成するための作成方法と内容・様式等を決定し、③作成した記録を効果性・効率性から見直し、評価・修正を行い④その妥当性が明らかにされた記録を活用する。つまり記録業務とは、記録物を活用するところまで行って初めてその意義を発揮するのであり、その範囲は、当然のことながらミクロ・メゾ・マクロというレベルの業務を対象とする。

記録を活用する目的として、a援助実践を自己内省するため、b業務・援助の情報について管理・確認するため、c調査・研究をするため、d教育・訓練をするためが挙げられる。またミクロレベルはソーシャルワーカー自身、メゾレベルはソーシャルワーカーの所属組織やスタッフ、マクロレベルは地域社会全体と設定している。上述の活用目的に応じてどの記録を活用するのかについて、記録の種類を整理してみる。aでは、ミクロではケース記録、面接記録、フェイスシートが、メゾではケアプラン作成書、アセスメント記録書、モニタリング記録書が、マクロでは情報開示のための提出資料がある。bでは、ミクロではカンファレンス計画書、プログラム計画書が、メゾでは組織の管理体制を把握するための内部監査資料や業務日誌、会議結果の把握のための会議資料や議事録、確認作業体制の把握のためのスーパービジョンやコンサルテーション資料が、マクロでは外部監査報告書、第三者評価報告書がある。cでは、ミクロでは聞き取り調査資料が、メゾでは調査研究計画書が、マクロではアンケート調査報告書がある。dでは、ミクロでは要約記録、エコマップが、メゾでは教育・研修資料、施設内研修報告書が、マクロでは研修報告書、プログラム実施業績、広報誌・予防策の資料がある。記録の活用目的と種類とは密接に関連しているのである。

記録の方法であるが、その形式として①記録の構成要素②記録の様式と文体③記録の文構造と種類、の側面から整理すると、①では、記録の公表、ケース記録、記録データの性質、記録の手段、記録者についてである。②では、記録の目標、記録の様式、記録の文体、記録文の種類についてである。③では、時制、書き手の人称、専門用語の扱い、俗語、方言、機関・個人への非難、図表の使用、項目を用いた記録、単一事例実験計画法、についてである。また、記録上の倫理と制度という観点からは、次の2点が重要である。第一に、個人情報保護であるが、個人情報が守られないというリスクに対しては、個人情報保護法によって規定されている。またプライバシーの尊重、秘密保持といった社会福祉士の倫理規定との関連でいえば、これは専門職個人だけでなく、記録の倫理性から関連組織や関連自治体にも求められているといえる。第二に、記録の開示であるが、不適切な専門職の対応とリスクに対しては個人情報保護法25条で情報の開示が規定されており、クライエントへの記録の開示は求めに応じてなされることができるが、その内容が倫理的効果的な記録になるためには、無駄のない限られた情報に基づきソーシャルワーカーが記述する必要があるといえる。(1385文字)


振り返って...

記録業務としての位置付けやその具体的内容を軸に論述しましたが、倫理的配慮についても分量を増やしてもよかったかも。評点:80点(評価A)合格
keyword:倫理規定、個人情報保護、etc...

#26 人体の構造と機能及び疾病

課題テーマ

高齢者に多い疾病(病気)について、生活習慣、老化との関連を含めてまとめなさい。
(1500文字以内)

★私の回答文

生活習慣病とは、糖尿病・高脂血症・高血圧・高尿酸血症など、生活習慣が発症原因に深く関与している疾患の総称である。生活習慣による影響は、長年蓄積されるため、高齢者になってから最も影響が出てくると考えらるが、本人の予防努力で改善できうるものも多い。以下にその主な発症原因を示す。第一に、食生活である。炭水化物の摂取が不足し動物性食品や脂っぽく甘いものの摂取が増えていることが、原因と考えられる。また過食は老化を促進させる。コレステロールが高すぎると心筋梗塞、低すぎると脳出血、低栄養による肺炎なども引き起こす。また、たんぱく質が不足し塩分摂取量が多くなると、高血圧ひいては脳出血を引き起こす要因となる。食生活はがんの30%に関わっているとされ食の欧米化が大腸がん等に関連していると考えられており、偏食を避けることが望ましい。第二に、運動習慣である。運動不足や過度の運動では、糖尿病、肥満、高脂血症、高血圧などの病気を引き起こす要因であり、適度の運動が健康には望ましい。第三に、喫煙である。タバコは肺がん、肺気腫、狭心症、不整脈、心筋梗塞を起こしやすくするため、禁煙が望ましい。タバコはがん発生原因の30%に関わっているとされ、専ら肺がんに関連しているが、口腔や尿路のがんの主要原因でもある。第四に、飲酒である。アルコールは軽く飲む分には、善玉コレステロールを高め狭心症を起こしにくくする。適量は1日1合ほどであり、それ以上は、高血圧、脳卒中、アルコール肝炎などの病気が多くなる。

老化徴候とは、自覚的な老いを示す症状やほかの人からみて老いてきた印象を与える徴候である。代表的なものとしては、老眼、しわ、低身長、動脈の伸展力低下、記憶力低下があり、様々な老年病と結び付いている。老化に伴う身体・生理面の変化について整理する。骨・身体組成の変化では、40歳代から身長と座高が減り始め、椎間板の弾力低下や筋肉量の低下、骨そしょう症などの要因により、圧迫骨折などを引き起こす。体重は男性が40歳代前後から、女性が40歳代後半から50歳代過ぎに減少し始める。また30歳代頃から骨塩量は減少する。心・血管系では、動脈硬化が進み収縮期血圧が上昇し、高血圧となる。心拍出量は運動時に減少する。呼吸器系では、肺活量が低下し、最大換気量は後期高齢期では若年者の半分程度といわれている。知覚器官系の低下は、生活を送る上で必要な情報を十分に得られていないことから、大きな影響を与える。視覚では、60歳代で0.5前後となり、10歳増すごとに0.1程度低下する。また白内障を招きやすい。聴覚では、高音から聴力が低下し、高齢者の聴覚範囲は250~8000Hzである。ただ注意力の観点ではカクテルパーティ効果がみられる場合もある。

老化に伴う精神面の変化について整理する。神経系では、神経細胞や神経線維などが減少し、海馬などの局所的な萎縮が生じてアルツハイマー病などを発症する可能性がある。認知機能では、思考や判断のスピードは落ちるが、十分な時間があれば、思考力は高く維持される。記憶機能は、海馬が司っているが、短期記憶力は加齢とともに低下しエピソード記憶は中年以降の衰えが著しい。記憶力の低下は認知症の発症の要因となりうる。(1345文字)


振り返って...

表面的な論述に終始してしまったかんじですが、もう少し医学的見地からの記述が必要だったかと思います。評点:80点(評価A)合格
keyword:生活習慣病、老化兆候etc...

#27 福祉サービスの組織と経営

課題テーマ

近年、福祉はサービスと捉えられるようになってきたが、これまでの福祉サービス提供の問題点と、今後の福祉サービスのあり方についてまとめなさい。
(1500文字以内)

★私の回答文

措置制度から契約制度への転換により、組織中心から顧客中心へのマネジメントが求められ、サービス性が重要視されてきている。そこでサービスマネジメントの対象領域として①マーケティング②品質マネジメントがあり、互いに関連し合っている。①は、一般に4つのPと呼ばれる要素である。product(製品)では、サービス業の製品であるサービスの品質を上げることが重要である。place(立地・販売チャネル)では、立地条件等が経営に強く影響を及ぼすため重要である。promotion(販売促進活動)では、福祉サービスが評判や口こみの影響が大きいため、地域に開かれている必要がある。price(価格)では、品質を維持しながらサービス内容に応じた多様な価格設定も実施可能である。②は、一般に3つのPと呼ばれる要素であり、people(従事者)、physical evidence(物的環境要素)、process(サービス提供過程)である。

評価制度については、利用者のサービスに対する関心が高まる中、1998年の社会福祉基礎構造改革の理念を基に「福祉サービスの質の向上に関する基本指針」が示されサービスの評価基準や第三者による評価制度の必要性が説かれ、2001年に「福祉サービスにおける第三者評価事業に関する報告書」が出された。現状では、自己評価、利用者評価、第三者評価などにより、総合的に行われ、改善項目が発見される。そしてその評価結果をサービス向上と利用者への情報提供に役立てることが重要とされる。ただ、こうした第三者評価の課題として、情報公開の不充分さ、各基準の不統一による比較の困難さ、第三者評価を取り入れている施設の少なさ等があるが、今後の幅広い普及が期待されるところである。

次にリスクマネジメントが必要とされるようになってきた背景として、①契約制度への移行に伴う損害賠償等の発生の可能性②身体的拘束廃止による介護事故の危険性③医療過誤訴訟の増加がある。リスクマネジメントは、リスクの洗い出しとセーフティマネジメントによるリスクの処理という要素があるが、サービスの質の保障と向上という視点も重要である。またそこでは、事故や苦情は組織の問題と捉え、ルールに則り誠実かつ速やかに対応すること、現場からの改善提案の吸い上げや利用者の意見を収集しに行くこと、業務マニュアルに基づいて、訓練等により、確実に処理できるようにしておく等が重要である。今後の福祉サービスのあり方としては、「地域展開」「小規模化」を通じて、質を意識したサービスが求められている。そのためには、会議や研修により職員の資質を向上させることや拠点のマネジメント機能を担える管理職を配置することが重要である。また組織形態も従来のトップダウン型から、職員の意思決定をサポートするバックアップ型へと転換する必要がある。こうした取り組みを行う重要性を職員ともども理解する必要があるのである。(1214文字)


振り返って...

第三者評価の重要性を軸に顧客本位のサービス提供の実現について論述しましたが、もう少し俯瞰的な記述が必要だったかと思います。評点:70点(評価B)合格
keyword:顧客中心、サービスの質、地域展開、4つのP、etc...

#28 社会保障2

課題テーマ

我が国の年金保険制度はの概要と最近の動向についてまとめなさい。
(1500文字以内)

★私の回答文

我が国の年金制度は、昭和36年に国民皆年金になり現在は全国民共通の国民年金(基礎年金)と被用者(サラリーマン)を対象に報酬比例部分の年金(厚生年金)が基礎年金に上乗せとなる、いわゆる「2階建て」方式の構成である。そして一定期間の保険料拠出を条件に給付を行う社会保険方式を採り、年金給付に必要な費用は、その時々の加入者の保険料によって賄う賦課方式を基本にしている。また、公務員・私立学校教職員は共済年金に加入しているが、ここでは、国民年金と厚生年金について整理する。

国民年金についてであるが、被保険者は、主に強制加入被保険者である第1号被保険者(自営業者・学生等)、第2号被保険者(民間サラリーマン)、第3号被保険者(専業主婦)である。があり、第1号被保険者のみの独自給付として、付加年金、寡婦年金、死亡一時金などがある。老齢基礎年金の受給資格期間は25年以上で支給開始年齢は65歳であるが、経過措置が設けられている。年金受取額は、満額で年間79万2100円である。基礎年金の給付は、保険料と国庫負担(基礎年金給付費の2分の1)で賄われる。保険料は全被保険者が頭割りで負担し、第1号被保険者はその保険料を国民年金に直接納め、第2号被保険者はその保険者(会社)が、基礎年金分を含んだ厚生年金保険料と配偶者である第3号被保険者の国民年金保険料を基礎年金拠出金としており、つまりは配偶者の本人負担はない。また、老齢基礎年金に上乗せする2階部分の年金に相当するものとして、任意加入であるが、国民年金基金がある。

次に厚生年金についてであるが、被保険者は、主に強制適用事業所の従業員で70歳未満の者である。給付は、老齢厚生年金、障害厚生年金・障害手当、遺族厚生年金であり、原則として老齢基礎年金に上乗せする形で支給される。老齢厚生年金の受給資格は、老齢基礎年金の受給資格のあるもので受給開始年齢は65歳である。但し、60歳から受け取れる特別支給の老齢厚生年金があり、報酬比例部分、定額部分、加給年金加算した額となる。また、就労との関係では、在職老齢年金制度が適用される場合がある。厚生年金の給付は、保険料と国庫負担(基礎年金への拠出金総額の2分の1)で賄われる。保険料は被保険者の標準報酬月額と標準賞与額に保険料率を掛けて被保険者と事業主が折半負担する。

近年の年金制度における課題として、財源確保や年金一元化等多くが議論されている。なかでも、少子高齢化や未納等による納付率の低下による財源不足は深刻であり、恒久的な財源確保の必要性から、基礎年金財源を全額税方式で賄うという意見などがある。また、制度間の給付と負担の公平性の観点から、これまで段階的に一元化が行われてきているが、今後は、一元的で公平な年金制度の確立の必要性が更に高まってくるであろう。(1166文字)


振り返って...

複雑な年金制度をなるべく完結に整理して論述しましたが、行政資料の参考文献なども記述したほうが良かったとも思います。評点:80点(評価A)合格
keyword:国民皆年金、財源確保etc...

次は、Part5です。

広告・PR
富士通 WEB MART
広告・PR
広告・PR